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アロマセラピーによる頭痛の緩和 | 偏頭痛によい精油

March 14th, 2017

前回は、温めて緩和する頭痛対策(緊張性頭痛)についてのお話をしましたが、今日は、ケアが正反対タイプの頭痛-いわゆる偏頭痛(片頭痛)ーとアロマセラピーの役割についてのお話です。

migraine

偏頭痛と対処法

 

偏頭痛は、何らかの原因で頭部の血管が拡張し、炎症が起きて、神経が刺激されることで痛みが生じる頭痛です。頭の片側または両側、おでこやこめかみ、目の奥などに痛みを感じ、吐き気やめまい、生あくび、鼻水などを伴う傾向があります。寝過ぎや慢性疲労、ストレス、また低気圧の影響など偏頭痛要因は幅広く、さらには、女性では月経前後に合わせて頭痛が起きるなど、偏頭痛は自律神経やホルモンのアンバランスが関連しているとも言われており、一般的に市販の頭痛薬が効きにくいのも特徴です。

このタイプの頭痛は、血管の拡張が痛みのもとなので、血管を収斂させる方法が緩和の第一歩です。手っ取り早いのは、アイスノンや冷タオルをおでこやこめかみにあてがうと良いでしょう。また、コーヒーや緑茶などカフェインを含むお茶も血管を収縮させる働きがあり有効です。マグネシウムの摂取も偏頭痛に効果的というデータもあります。

偏頭痛の時は、音、光、そして香りを感じる知覚神経が過敏になるので、普段は良い香りだと感じるアロマセラピーが刺激になりかねない場合もあるので精油の扱いには注意が必要です。

とはいえ、精油には、神経や内分泌系に働きかける作用があり、それが、血管収縮や痛みの炎症抑制に繋がり、結果として、偏頭痛軽減に役立つこともあります。偏頭痛に効果的な精油に関しては後述します。

また、頭周辺のマッサージは偏頭痛の痛みを悪化させてしまう恐れがあるので、基本はやめた方が無難です。偏頭痛の時はとにかく光や音など刺激の少ない静かな場所で、なるべく身体を動かさずにゆっくり休みましょう。

 

偏頭痛に効果的な精油

 

ペパーミントは偏頭痛の解消に有効的な研究結果が数多く出ています。ペパーミントの主成分であるメントールは鎮痛作用のみならず、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの放出を助けるというデータがあります。

セロトニンに関しては、ローズレモンにもセロトニン放出に働きかける実験結果があります。

月経サイクルや低気圧などに関連して偏頭痛が起こる方は脳内のセロトニンの減少が血管拡張の起因材料になっている可能性も考えられるので、ペパーミントに加え、ローズやレモンも偏頭痛を軽減させる精油の選択肢のひとつとして考慮されてみてはいかがでしょうか。

伝統的に頭痛に良いとされているローズマリーは、低濃度でアドレナリン分泌を促すデータがでています。この効果は、血管を収縮させるので、痛みの緩和に繋がる可能性があるとレポートされています。他にも、ローズマリーが痛みを誘発させる炎症物質を抑えるという鎮痛・抗炎症作用に関してデータがでており、ローズマリーは偏頭痛の軽減させる効果が見込めるのではないかと思います。

ラベンダーには、緊張性頭痛のみならず、偏頭痛においても有効なデータがでています。

また、ベルガモットには、抗侵害受容作用の有用性が示され、神経因性疼痛に働きかけるとレポートされています。頭部と顔には三叉神経が広がっており、偏頭痛の中には、この神経の傷害が関わっている場合もあるとされています。偏頭痛は往々にして知覚が敏感になるので、それを麻痺し痛みを和らげるのにベルガモット精油が有効に働くかもしれません。特に耳のあたりや目の奥が痛むときに利用してみると良いでしょう。

ジャーマンカモマイルには、免疫細胞のマクロファージが活性化することで起きる神経細胞内の一酸化窒素合成酵素iNOSの発現を阻害し、それにより、一酸化窒素の放出および合成を阻害することで血管拡張を防ぐなど、主成分であるカマズレンの鎮痛作用機序が言及され、偏頭痛に対する新薬開発の前向きな可能性がレビューされています。個人的な経験ですが、偏頭痛のときに、ジャーマンカモマイル精油を用いたジェルを目の周りやこめかみに塗布するとひんやりして痛みがスーッとひいていくのを実感します。

では、次回は、偏頭痛用の鎮痛クーリングジェルとヘアトニックについてご提案しますね。